2007-01-01から1年間の記事一覧

ワイルドカード4巻第13章ザヴィア・デズモンドの日誌よりⅥその1

[[]] ザヴィア・デズモンドの日誌より G.R.R.マーティン 1月16日 エチオピア、アジス・アベバ 病巣とも呼ぶべき大地における・・・つらい一日でありました。地元の赤十字代表に促されるまま、飢饉の救済活動の数々を目の当たりにしたのです。 もちろん到…

ワイルドカード「ザヴィア・デズモンドの日誌Ⅵ」その2

ザヴィア・デズモンドの日誌より G.R.R.マーティン 1月16日 エチオピア、アジス・アベバもちろんアフリカにも美しい景観というものもありはします。 ヴィクトリアの滝、キリマンジャロの雪、千にも及ぶシマウマが丈の高い草原を疾駆するさまは、まるで風…

ワイルドカード4巻第13章ザヴィア・デズモンドの日誌よりⅥその1

[[]] ザヴィア・デズモンドの日誌より G.R.R.マーティン 1月16日 エチオピア、アジス・アベバ 病巣とも呼ぶべき大地における・・・つらい一日でありました。地元の赤十字代表に促されるまま、飢饉の救済活動の数々を目の当たりにしたのです。 もちろん到…

ワイルドカード4巻 進行状況

①1986年 11月 27日 「綾なす憎悪 プロローグ」 スティーブン・リー ワシントンDC 2ページ http://d.hatena.ne.jp/thunderstrike/20051224 ②1986年 11月30日 「ザヴィア・デズモンドの日誌よりⅠ」 G.R.R.マーティン ジョーカータウン 3ページ http://d.hate…

ワイルドカード5巻 進行状況

1986年10月 から 1987年4月 ①「死が憩う街・・その名はジョーカータウンⅠ」 ジョン・J・ミラー Ⅰ http://d.hatena.ne.jp/thunderstrike/20060505 7ページ訳了 Ⅱ http://d.hatena.ne.jp/thunderstrike/20070225 http://d.hatena.ne.jp/thunderstr…

ワイルドカード6巻  COMPLETE

1988年7月18日 月曜 午前6時 ウォルトン・サイモンズ http://d.hatena.ne.jp/thunderstrike/20051202 ヴィクター・ミラン http://d.hatena.ne.jp/thunderstrike/20101002午前7時ウォルター・ジョン・ウィリアムズ http://d.hatena.ne.jp/thunderstr…

ワイルドカード5巻第1章第5節

死がいこう町・・・その名はジョーカータウン ジョン・J・ミラー雪が窓のブラインドを染め上げ、風が失われた魂のすすり泣くようにグレイシティキャニオンを通りぬける。 冬になると、山間部より、都市の方が冷え込むのかもしれない。 そこは冷たく卑劣で、…

ワイルドカード5巻第1章第6節

死がいこう町・・・その名はジョーカータウン ジョン・J・ミラー応接間に通されると、そこではすでに、フェードアウトにシュー・マ、デッドヘッドが顔を突き合わせていて、デッドヘッドが、名前や住所、電話番号、政府との癒着といったことを呟き続けている…

ワイルドカード7巻 COMPLETE

1988年7月18日 月曜午前5時 http://d.hatena.ne.jp/thunderstrike/20131223午前7時 http://d.hatena.ne.jp/thunderstrike/20131222午前8時 http://d.hatena.ne.jp/thunderstrike/20130000正午 http://d.hatena.ne.jp/thunderstrike/20130001正午/…

ワイルドカード4巻第11章

From the journal of Xavier Desmond 〜 ザビア・デズモンドの日誌より 〜 G.R.R.マーティン 1986年12月29日 ブエノス・アイレスDon`t cry for Jack、Argentina…*(アルゼンチンよ、ジャックのために泣かないで・・・) エビータの悲しみに…

ワイルドカード4巻12章綾なす憎悪パートⅣ

綾なす憎悪 パート4 スティーブン・リー 1987年1月1日 南アフリカ夕方になって涼しくなってきたようで、ようやくベランダに出ると、ブッシュベルド盆地のぎざぎざな景観が目に飛び込んで牧歌的に思え、日の光のわずかな名残がラヴェンダーに包まれた…

ワイルドカード5巻第11章その1

血脈 Ⅰ メリンダ・M・スノッドグラスやめます!うんざりです!家庭教師など必要ありません!必要なのは番人か、アニマルトレーナーでしょう!ペンを与えるなどもってのほかです!「これで何回目かな?」 「三回目です」

ワイルドカード5巻第14章王様のおうまも・・5

おうさまのおうまも・・・Ⅴ G.R.R.マーティン わずか2ドル50セントを暗がりの奥の窓口で払うだけでいい、普段なら それだけでバワリーダイム・ワイルドカード・ミュージアムに入れるのだ。 それなのに窓口に人影はなく、ドアは鍵のかかったまま。 そこで…

ワイルドカード5巻第14章王様のおうまも・・6 その1

おうさまのおうまも・・・Ⅵ G.R.R.マーティン 巨大なトタン板の扉が、トムの頭上でがらがらと音を立ててガレージの桟に引き込まれていく、仰々しく古臭いが、それでも役には立つのだ。 埃が日の光に照らされて、塹壕の中に入り、空を舞っている。 フラッシュ…

ワイルドカード5巻第14章おうさまのおうまもⅥその2

おうさまのおうまも・・・Ⅵ G.R.R.マーティン ブルックリンをぬけ、東の空に出、太陽を背にし進む、長旅になりそうだが、スタテン島と海峡の間を旋回しておく、これはどこから出てきたかを覆い隠すための、20年に渡るタートル活動の末、編み出されたトリッ…

ワイルドカード5巻第14章おうさまのおうまもⅥその3

おうさまのおうまも・・・Ⅵ G.R.R.マーティン ミュージアムを出たところで、ほぼ正午になっていた。 右手には緑のスーツケース、左手にはショッピングバッグをぶら下げて、まばゆい日の光に目をしばたたかせつつ、バワリーの通りを用心深く付けられていない…

ワイルドカード5巻第14章おうさまのおうまもⅥその4

おうさまのおうまも・・・Ⅵ G.R.R.マーティン ホランドトンネルからわずか4ブロック離れたところのカナルストリートで、立ち往生の列ができている。 後部の窓に臨時ライセンスを張り出してあるシルバーグレイのジャガーの後ろで列が動かなくなった、運ちゃ…

ワイルドカード5巻第14章おうさまのおうまもⅥその5

G・R・R・マーティン 3ブロック路地を進んだところで、ようやく騒音から遠ざかったように思え、荒い息を落ち着けたところで、本屋に続く地下室のドアの前に立っていることに気づいた。 しばしためらいはしたが、大勢の駆けるような喧騒が通りの向こうから響…

ワイルドカード5巻第14章おうさまのおうまもⅥその7

おうさまのおうまも・・・Ⅵ G.R.R.マーティン ジョーカータウンクリニックの待合室は混み合い、わずかに立つスペースが残されているのみ。 トムはスーツケースを壁にもたせかけて、その上に腰掛け、ショッピングバッグ を脚の間に引き寄せ、抱え込んだ。 そ…

ワイルドカード5巻第14章おうさまのおうまもⅥその6

おうさまのおうまも・・・Ⅵ G.R.R.マーティン ことは遅々としてなかなか進まなかった。 夕闇が舞い降りるころ、トムは忍んでいた地下室を出ることにして、 注意深く辺りを探ると、喧騒も静まっているように思える。 それでもミッシュマッシュは「きっとひど…

ワイルドカード4巻第9章 その1

From the journal of Xavier Desmond 〜 ザビア・デズモンドの日誌より 〜 G.R.R.マーティン 1986年12月15日 リマへの途上、そしてペルー日誌をつけるのが滞っています、昨日だけではありません、それは数日に及んでいるのです。 憔悴と多大な…

ワイルドカード4巻第9章 その2

From the journal of Xavier Desmond 〜 ザビア・デズモンドの日誌より 〜 G.R.R.マーティン 1986年12月15日 リマへの途上、そしてペルーマヤの人々は、ジョーカーというのは神に祝福され、特別の恩恵を受けた存在だと考えています。 奇形と化…

ワイルドカード4巻第9章 その3

From the journal of Xavier Desmond 〜 ザビア・デズモンドの日誌より 〜 G.R.R.マーティン 1986年12月15日 リマへの途上、そしてペルーグァテマラとマヤにおいてずっとこころをとらえていたことは、彼らの理想的ともいえる革命が、2人のエ…

ワイルドカード4巻第10章その1前編

綾なす憎悪 パート3 スティーブン・リー 1986年12月23日 リオリオには怖気がはしる。 贅をつくしたアトランティカホテルの窓からリオの町を見ていると、マイアミのビーチにいるような錯覚を覚える。 白亜のホテルの前にパノラマのごとく広がったビーチ…

ワイルドカード4巻第10章その1後編

綾なす憎悪 パート3 スティーブン・リー 1986年12月23日 リオ「奥にしまいこまくてはね・・」だと。パペットマンがうなる、セイラの精神を引き裂いて侵入し、その感情を貪ろうと精神の障壁を叩きつづけていたのをずっと抑えていたのだ。 ニューヨーク…

ワイルドカード4巻第10章 その2

綾なす憎悪 パート3 スティーブン・リー 1986年12月26日 シリア ミーシャが硬直し座りつくしている。 夢で見たものに肌をぐっしょりと汗で濡らしながら、恐怖のあまり実際に叫び声をあげてしまったのだ。 サィードもベッドに腰を降ろし、立ち上がりた…

2ヘンドリクスンズは、トムがバーバラ・カスコーとはじめて食事をともにした想い出の場所なのだ・・                   2巻収録「底冷え」参照のこと。

1シェル(缶)を3つ並べて、どれかに豆を入れたのち、シャッフルして、どれに豆がはいっているか当てるゲーム。

「ワイルドカード」5巻第7章

おうさまのおうまも・・・Ⅲ G.R.R.マーティンフックロードの外れ、緑色に脂ぎったニューヨーク湾にかなり面したところの廃品置き場。 そこにきたトムは、南京錠を素早く外し、鎖が張り巡らされた高いフェンスのゲートを開け放ち、乗ってきたホンダをブリキ屋…

ワイルドカード5巻第10章その1

おうさまのおうまも・・・Ⅳ G.R.R.マーティン 「マスクがいる」 尊大げなファラオのデスマスクを被った背が高く、痩せぎすな店員が、 その声に反応して目を上げて応えた。 「さようでございましょうとも」 その店員の目は、仮面の色同様、金色だった。 「な…