2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧
ウォルター・ジョン・ウィリアムズ帰路は7月の熱気にさらされたものであったが、ピーチツリーモールを通ることでそれは解消できた。 空調が施されたモールでエスカレーターに乗り最上階に向かうと、バーネットを支持するカトリックの一派に出くわした。 ロ…
メリンダ・M・スノッドグラス [[]]ラジオからはU2の調べが流れ、そこに忙しいフォークを操る音、そしてオレンジジュースを啜る音が交じり合っている。 まだ10代であろう血の如き赤髪を頭頂で切りそろえ、編み紐Braidをたらした長くぴっちりしたレザージャケ…
スティーブン・リー 飢えはつねに感じている。 今週末には、民主党推薦候補に確定する見通しはすでにたっているが、 それがなんだというのだ。 マリオットをエレベーターで下りながら、これからジャック・ブローンに ハイラム・ワーチェスターと朝食をともに…
ヴィクター・ミラン午前9時「セイラ」リッキー・バーンズがささやいている。 「ハートマンの件からは手を引いた方がいい……正気とは思えない、意固地になって 反応してるだけじゃないのか」 緑のチェックに彩られた円形テーブル、ル・ピープの窓際で外に視線…
ウォルター・ジョン・ウィリアムズ 帰ろうかと立ち上がって思い直し、煙草とコーヒーを用意した、ハイラムが息せき切って駆け込んできたのは そんなときだった。 たしかにハイラムとはスタックド・デッキで旅をともにしたものだった。 それでもさほど親しい…
午前10時 スティーブン・リー昨晩ジャックが喰い散らかした代議士たちの相手にも飽いてきた。 熱狂の響きにももはや飽いている。 そういえばアレックス・ジェームズという男がいた。 選挙期間初期からのパペットだ。 大概のシークレットサーヴィスは職務に…
ウォルター・ジョン・ウィリアムズ 二日酔いはウォッカを二杯ひっかけたところでようやくおさまった。 それからスイートで二時間ほどたつ。 ジャックの右腕と称されているエミル・ロドリゲスに何度も電話をかけているが・・代議員間を駆け回り、 票のとりま…
ヴィクター・ミランばっさりと切り捨てたさ・・ 鼻にかかった音とともに亡き別れになった・・ 暗黒の髪、オリーヴ色の肌をしたプエルトリコ娘が微笑んでご開帳ときたもんだったが・・もちろんどうなるもんじゃない・・ たかがカレンダーの一枚だ・・ そうし…
AM12時 正午 ウォルター・ジョン・ウィリアムス 「Devils and ancestors悪魔と祖先の名にかけて(一体全体)どうしてこんなことに?」 「バーで飲もうと思ってね・・」手を大仰に伸ばし、ピアノバーを示しながら言いつくろっていた・・ 「二杯か・・三杯、ひ…
午後2時 ヴィクター・ミラン「ちょっと待ってくれ」チャールズ・デヴォーンの声だ。 「世界ツアーでグレッグと、何があったか知らないが、セイラ、 もう終わったことじゃないのかね」 ハートマンの選挙参謀であるこの男は、愛想のよい上院議員にはりついた …
午後5時 スティーブン・リー 重いビロードのカーテンの向こう、いわゆるPodium Screen演幕の 後ろで、グレッグとエレンはエーミィ・ソーレンスンと合流したわけだが・・・ 向こうからは、連中の騒々しいさえずりが響いてきて・・・ カメラのレンズが放つ紅…
ヴィクター・ミラン響く雑音を振り払い・・・まともに仕事をするためには、Valium安定剤を飲まなければならなかった・・・ モデムは内蔵式であるに対し、ホテルのモジュラージャックは電話同様古式ゆかしく壁に縛り付けられている・・・ 二股の受話器を電話…
ウォルター・ジョン・ウィリアムズ 午後7時夕食のため党大会は一端閉会となった。 九時に再開するとのことだった。 ジャックはガラス張りのエレベーターに乗り込むと、ドミノピザを抱えた男がいたが、 その視線はしっかりとドアにむけ背けられている。 タキ…
メリンダ・M・スノッドグラス 1988年7月18日 午後9時 マリオットのメインエントランスには人々が束になって溢れていたが・・ タートルの警報に反応して、歩道にまで下がりだして・・・ 横ではBraiseブレーズが踵でシェルをコツコツやっていたがよう…
ウォルトン・サイモンズ 1988年7月18日 午後9時 凡そ一年半、店に入ったことなどなかった・・・ あのワイルドカード記念日以来か・・・ アストロノマーの爺の栄光が消えうせたからだが・・ もちろん些かとはいえあの爺のお陰といえて・・・ 買い与え…